ホンのすこし

本と音楽を巡る旅

幸せな思い出をおすそ分け『なんたってドーナツ』

ドーナツ、それは懐かしい思い出の味。

 

ドーナツって本当に幸せなおやつだと思う。想像するだけで幸せな気持ちになれますし、口の中まで甘い気がする。食べたい。

 

なぜドーナツという存在は私たちの胸を熱くさせるのか。人々のドーナツに対する思いや、ドーナツという存在について感じたこと、考えたことが詰まった本。それがこの「なんたってドーナツ」です。

 

 

なんたってドーナツ: 美味しくて不思議な41の話 (ちくま文庫)
 

 

 

人の数だけドーナツとのストーリーがあり、とても面白く読むことができます。この本ではなんと41編も!「ドーナツのことだけで1つの本が出来上がってしまうのです。その想いと情熱はすごいです。

 

老若男女問わず、様々な方がその思いの丈を連ねていらっしゃるので、正直読みにくい文章や自分とは合わない文章もあります。

 

ですがそれ以上にセンスの光る文章、言葉に出会うことができました。こういうところが複数の方で書かれた本の醍醐味と言いますか、面白いところですね。

 

表現が好きだと思ったのは俵万智さん。

「昔」という言葉を外からの見た目と、内からの心情的な部分に掛けて使っているのが印象的で、「なるほど!そんな表現の仕方が! 」と惹きつけられました。

 

食欲をそそられたのは堀江敏幸さん。

ベニェって一体どんな食べ物なんだろう。「幻となったあの味」というのがとても興味そそられます。

 

そして、文章的に好きなのは千早茜さん。

すごく素敵な文章を書く方だなと。エッセイですがそれは1つの物語として仕上がっていて、実に運命的な気がして。千早さんの物語にもっと触れてみたいし、また読み返したい。

 

後は林望さんの「甘露の味わい」という言葉が好きだなと思ったりと、素敵な文章や言葉に触れられて幸せでした!

 

そうそう、私はこの本を読んで気づいたことがあります。それは、みなさん割とドーナツの穴のことを真剣に考えているということ。私は穴にそこまで着目したことはないですが、穴という存在は思っていた以上に大きく、人を惹きつけるようだ。

 

「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」と言う本も出版されているくらいですから、その存在は誰しもが気になる部分なのでしょうね。この本も近いうちに読みたいと思います。

 
 
そして、私もドーナツの思い出について少し語ってみました!
 
 
ドーナツ食べたい。